ディスクシステム資料



◆書き換え販売専用&パッケージ販売専用のソフト


ゲームの供給手段と言えばパッケージ販売しか存在していなかった時代に、 データ販売によるソフトの供給という新しい手法を実践したディスクシステム。

ディスクカードに記録されている現在のゲームを 専用の書き換え機で他のゲームに書き換えることで新しいゲームを入手することができました。
その書き換え機の名前はディスクライター。全国のおもちゃ屋やデパートなどに設置されており、 500円で別のゲームへと書き換えることができました。 なおディスクライターが登場したころは消費税(3%)導入前ですが、導入後も変わらず500円のままでした。 さすがは良心的で知られるメーカー、任天堂。

それはともかく。
ほとんどのゲームはパッケージ販売と書き換え販売の両方で流通していました。

KYU's Technologyさんの ディスクシステムに関するエッセイのページ には、任天堂から直接送ってもらったという書換可能タイトル一覧紙の写真が掲載されています。
これによれば

・上記資料は1991年のもの。このためまだ発売されていない「クルクルランド」と
 「じゃんけんディスク城」が載っていないが、これを含めると、
 書き換え対象ソフトは全184本。
・お店のディスクライターでの書き換えが終了しているソフト(◆マークのもの)でも、
 任天堂へ直接申し込めば書き換えが可能だった。
・開発時の仮タイトル表記のままのソフトがある
 (ナゾラーランドスペシャルIII とか エッガーランド2 とか)
・タイムツイストの書き換えは600円。

など、いろんなことがわかります。600円の存在が何気に衝撃的です。
※実はタイムツイストに限らず、末期の頃のタイトルは600円で販売されていたようです。

もっとも、2年後である1993年に配布された書き換え申込み書では、 600円のタイトルもしっかり500円に変更されています。600円だったのはわずかな期間でした。

※2016.5.23日追加資料:
ディスクシステムの書き換えサービス終了の前年である2002年に 任天堂の名古屋営業所で制作された書き換えリストには、 この当時に書き換えが可能なソフトに加え、過去書き換えが行われていたソフトもすべて記載されています (過去のソフトは名前が掲載され、その上から二重線で消されています)。


※2018.10.28日追加資料:
また同2002年の末に任天堂から書き換え用説明書 (白黒コピー)&汎用ラベルと一緒に返送された 書き換え可能タイトルの一覧表では、現在書き換え可能なタイトルだけが記載されています。




さて、一部のディスクシステムソフトの中には パッケージでは発売せず、この書き換え販売のみに限定されていたものもありました。 そんな書き換え専用ゲームは、以下の36本(※)
ディスクシステムソフト全体の2割近く。けっこう多い印象です。

 アイスクライマー
 亜空戦記ライジン
 石道 (Ishido)
 ウルトラマン 怪獣帝国の逆襲 [書換専用版] (※1)
 SDガンダムワールド ガチャポン戦士 スクランブルウォーズ [書換専用版] (※1)
 SDガンダムワールド ガチャポン戦士 スクランブルウォーズ マップコレクション
 エッガーランド 創造への旅立ち
 帰ってきたマリオブラザーズ
 きね子II
 ギャラガ
 ギャラクシアン
 グーニーズ
 クルクルランド
 スーパーロードランナーII
 ゼビウス
 ソロモンの鍵
 谷川浩司の将棋指南II 新版 詰め将棋・次の一手(※2)
 ツインビー
 ディグダグ
 ディグダグII
 ドンキーコング
 ドンキーコングJR.
 バーガータイム
 パズルボーイズ
 パチコン
 パックマン
 ファミマガDisk Vol.2 パニックスペース
 ファミマガDisk Vol.3 オール1
 ファミマガDisk Vol.4 クロックス
 ファミマガDisk Vol.5 ぷよぷよ
 ファミマガDisk Vol.6 じゃんけんディスク城
 ボンバーマン
 ムーンボールマジック
 勇士の紋章 ディープダンジョン [書換専用版] (※1)
 リュッター
 レッキングクルー


※1…正確には同名タイトルのパッケージ版も存在していますが、書き換え版はゲーム内容が一部異なるため、 ここでは別のソフトとしてそれぞれカウントしています。

※2…『谷川浩司の将棋指南II 新版 詰め将棋・次の一手』のみ店頭のディスクライターで書き換えが出来ず、 任天堂へ直接カードを送って書き換えてもらう必要がありました。

 パッケージ販売がなかったため、30年も経った現在ではこれらのソフトを探すのは結構難しいです。 このためいずれも中古の流通価格が高めの傾向にあります。
 その中でもディスクシステムの末期に登場したファミマガDiskシリーズやクルクルランド、 そして店頭での書き換えが無く任天堂支社へ直接頼まないと入手できなかった谷川浩司の将棋指南IIの新版などは、 いずれも流通量が少ないようで、現在では価格がかなり高騰しているようです。

 …ちなみにウルトラマン 怪獣帝国の逆襲やSDガンダムワールド ガチャポン戦士 スクランブルウォーズは 書き換え販売の数も多かったのか、書き換え専用ソフトなのに下手なパッケージ版よりも価格が安め。




その一方、パッケージ販売のみのソフトもあります。 これらのソフトはディスクライターでの書き換え販売は行われていませんでした。 対象ソフトは…

・アイアムアティーチャー スーパーマリオのセーター
・アイアムアティーチャー 手あみのきそ
・囲碁 -九路盤対局-
・ウルトラマン 怪獣帝国の逆襲 (型番[ULM]のほう)
・SDガンダムワールド ガチャポン戦士 スクランブルウォーズ (型番[SGW]のほう)
・消えたプリンセス
・きね子
・銀河伝承
・聖剣サイコカリバー 魔獣の森伝説
・知能ゲームシリーズ1 (算数-整数編) アディアンの杖
・知能ゲームシリーズ2 (算数-分数編) スーパーボーイアラン
・知能ゲームシリーズ3 (算数-小数編) 地底大陸オルドーラ
・ドレミッコ
・光GENJI ローラーパニック
・マイケルEnglish大冒険 マイケルの単語帳
・勇士の紋章 (型番はパッケージ版も書き換え版も同じ[YSM]だが内容が一部異なる)
・ロジャー・ラビット

の、計17本。

ウルトラマンSDガンダム勇士の紋章は パッケージ版と書き換え版で内容が異なっていたソフトです。 今回は書き換え版とパッケージ版とで内容が異なるソフトをそれぞれ個別のものとしてカウントしているためここで取り上げています。

なおきね子シリーズが似たような発想のソフトで、パッケージ販売は きね子1、書き換え販売はイラストを総取り替えしたきね子2という 販売戦略上の棲み分けが行われていました。 きね1の説明書ウラに 「パッケージ版はきね子1だけ、書き換え版はきね子2だけ」 という意味の内容が明記されています。

アイアムティーチャーはゲームではなくセーターの編み方が記されたレシピのようなソフトで、 手芸店 (と手芸関連の本による通販) で取り扱われており、 一般のゲーム販売店には置かれていなかったとされています。このため書き換えサービスもなし。

消えたプリンセス、銀河伝承、聖剣サイコカリバーは 各種冊子やオーディオテープといった多数の同梱物によるゲームとの連動 (メディアミックス) を狙ったソフトで、 その性質上書き換えサービスにはそぐわなかったのでしょう。

ドレミッコは同梱の音楽用キーボードを用いる音楽ソフト。 遊ぶためにはこのキーボードが必要となるため、書き換え販売がなかったのも納得。

知能ゲームシリーズはVHSビデオケースで販売。 光GENJIローラーパニックは音楽CDケースで販売。 どちらも本来ゲームを嗜まない層に訴求するソフトなのでしょう。 そのためゲームよりも馴染みの深い、手に取り易いメディアのパッケージにしたと思われます。
書き換え販売が無いのはこの形状のパッケージが重要だったためでしょうか。


 …さて。囲碁ロジャーラビットマイケルEnglish大冒険 は なぜ書き換え販売がなかったのでしょうか。

 ロジャーラビットは版権に厳しいディズニーのキャラを用いたゲームということで、これが関係していそうです。

 マイケルですが、1987年のディスクライター書き換え一覧表に、 他のパッケージ専用ソフトとともに「ディスクライターに設置される予定はありません」と明記されています。
 ところが。
 パッケージ版の発売から4年経過した1991年。 突如ファミリーコンピュータマガジンの書き換え予定表に名前が載りました、開始日未定として。 しかしそのまま、未定とされたまま1993年に店頭のディスクライター撤去。結局書き換えは実現しなかったようです。
 右に置いている任天堂名古屋営業所の書き換えソフト一覧や、 KYU's Technologyさんの ディスクシステムに関するエッセイのページ の任天堂本社の書き換え一覧にもマイケルの名前はありません。
 ファミマガの書き換え予定に名前が載ったのはもしかして、パッケージ版と同じ内容の書き換えではなく きね子2やロードランナー2のように書き換え版では内容を変更する予定だったとか? 「でる順 偏差値アップシリーズ」なんてサブタイトル?が付いてるし、世の受験などの状況に沿って内容の差し替えを予定していた可能性は十分ありそう。 なんて妄想だけならいろいろ広がるんだけどなぁ〜
 なお「でる順 偏差値アップシリーズ」はこれ1作だけのようです。説明書には後続作品の名前がいろいろ告知され、発売予定表にも いくらか名前が載りましたが、いずれも発売されませんでした。


 最後に囲碁。 実はディスク版の4ヶ月後にファミコンカセット版が発売されました。このためディスクカードの書き換えは実現しなかったのでしょうね。
 …と思いきや、似たような経緯を経ている谷川浩司の将棋指南2は、ディスクシステム版に続いてカセット版が発売された後も書き換えサービスが続いていました。あれ?
 というわけで、囲碁の書き換えがない理由はホントに不明です。

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 ちなみに特殊な事例がゴルフJAPANコース。
当時の資料によれば店頭のディスクライターでの書き換えは行われていなかった可能性が高そうです。 行われていたのは、大会期間中の住所登録を間違えたときのための修正用書き換えのみ。恐らく。
(※ディスクファックスに応募すると住所や名前などの個人情報が変更できなくなるため、間違いや引っ越しによる変更などが必要になった場合は ディスクライターで同ソフトの上書きを行って初期化する必要がありました。この修正用の書き換えがソフト発売日から行われていました。)

 その一方、後年の任天堂支社で行われていた書き換えにはゴルフJAPANコースも対象に入っています。

 これらの資料から判断するに、ゴルフJAPANコースへの書き換えは、お店のディスクライターではなく、任天堂へ直接送ることでのみ可能だったのでしょう。

 (なおファミマガの付録『ディスクライター書き換えゲーム全カタログ』では書き換え販売本数が1万本とありますが、 これは1万本未満の意味と思われます。この本では表示単位が万しかなかった為だったような…。
 またこの書き換え販売というのは、恐らくは修正のための初期化用上書きのことなのでしょう。
 これまで調査のため大量のJAPANコースのディスクカードを解析してきましたが、 実際に今の所、他のソフトからゴルフJAPANコースへ書き換えたものは 店頭のディスクライター撤去後、任天堂へ送って書き換えたディスクしか見たことがありません)


店頭に設置されたディスクライター。
カード内のデータの入れ替えによって新たなソフトを供給するという、
いわばダウンロード販売の先駆者のような存在。
ディスクライターにセットするソフトパックが店に到着する日時は
地域によりまちまちであった為、
書き換え開始日よりも早く到着する店もあれば
遅れてしまう店もあった。

なお右の写真はディスクライターの中身。
右側の正面パネル部が書き換え機の本体。
内部中央のレコードみたいな機械は実は換気用のモーターらしい。





紙1枚タイプの書き換え用説明書の中で唯一のフルカラー。
ウラ面や後編も同じくフルカラー。紙質もツルツルで上等。
書き換え料が600円なのも納得?
もっともその後500円になったけど。





1993年のディスクライター書き換え一覧。
なお店頭での書き換えは1993年3月に終了。
(※画像クリックで拡大)





2002年に製作された、名古屋営業所での書き換え可能タイトル。
書き換え対象ソフトの全184本がすべて載っているが、
書き換えサービス終了の前年ということもあってか、
既に販売が終了しているタイトルも多数目立つ。
(※画像クリックで拡大)





こちらは2002年末に任天堂へ書き換えの申し込みをした際、
書き換え用説明書 (白黒コピー)&汎用ラベルと一緒に返送された、
書き換え可能タイトルの一覧表。
こちらでは先の名古屋のリストで二重線で消されているモノは、
最初から記載されていない。
(※画像クリックで拡大)





任天堂へ書き換えのためカードを送って
戻って帰ってきた際に同梱されていた、
カードに問題があって修復した旨のお知らせ。





2003年に通知された、
ディスクシステムの書き換えサービス終了のお知らせ。
非常に残念。
(※画像クリックで拡大)





VHSビデオのケースがパッケージの知能ゲームシリーズ。
でもその中身は大型の説明書とディスクカードのみ。
これでビデオテープも同梱されていれば納得なんだけど…。





谷川浩司の『新版』。
書き換え専用なのに店頭のディスクライターでは
取り扱われなかった特殊なソフト。
入手するには直接任天堂の各支社へディスクカードを送り
書き換えてもらう必要があった。
このような特殊な事情から、非売品を除けば
ディスクシステムのソフトで最も入手が困難とされるソフト。
いや そこらの非売品ソフトよりもずっと希少。







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