ディスクシステム資料



◆実は書き換え販売なし?ゴルフJAPANコース


パッケージ販売とディスクライターによる書き換え販売の両方があったとされているものの、 実際にはディスクライターでの書き換え販売が行われていなかったと思われるタイトルがあります。


それは
ゴルフJAPANコース



イベント用として作られた、青いディスクカード第一弾。
ゲームの成績(スコア)を競う全国大会が開かれており、 店頭に設置されたディスクファックスという機械で応募すると、 成績上位の入賞者と抽選とで選ばれた人に 金色のディスクカード (ゴールデンディスクカード) がプレゼントされました。


このゴルフJAPANコースですが、 ディスクライターで行われていたのは、データ初期化のための上書きのみだったようです。

このソフト、一度大会に応募するとゲーム内の個人情報(名前や住所など)はロックされ、以後は変更できなくなります(ゲームのスコアは更新できます)。 このため大会参加後に間違えたり引っ越したりして名前や住所などを変更したい場合は、 ディスクライターで書き換えてください、と説明書やチラシでアナウンスされていました。

つまりゲーム購入用ではなく、取り消す (初期化する) ためにディスクライターの書き換えサービスを用意していたようです。


なお、青いディスクカードは特殊な扱い方がされていました。
青カード用のゲームソフトは従来の黄色いディスクカードへ書き込むことができず、 書き換え可能なのは青いディスク同士のみでした。
例えば、ゼルダの伝説のディスク(黄色)に、ゴルフUSコースを書き換え購入することはできません。 ゴルフUSコースを書き換えで買う場合は、同じ青ディスクである、ゴルフJAPANコースや3Dホットラリーなどのディスクカードを用意する必要がありました。

というわけで、青ディスクの一作目であるゴルフJAPANコースを ディスクライターで購入するには、青ディスクの次回作が発売されるまで待つ必要がありました。
そして、青ディスクの第二弾であるゴルフUSコースが発売された後は 前作となるゴルフJAPANコースの書き換え販売がスタートする予定となっていました。



◆ゴルフJAPANコースの書き換え販売開始予定日の推移



最初は4月28日予定。ファミリーコンピュータマガジン 1987年3月20日号より。
4月28日は当初、青ディスク第二弾であるゴルフUSコースのパッケージ版の発売予定日でした (後に延期)。
ちなみにここにも修正用書き換えは2月21日 (パッケージ版発売日) から行っていると記されています。



5月30日予定に変更。ファミリーコンピュータマガジン 1987年4月3日号より。
大会延長に伴い、書換開始予定日も延期されました。



さらに延期。6月21日予定。ファミリーコンピュータマガジン 1987年5月1日号より。
ゴルフUSコースと一緒に書き換え販売を開始することとなりました。



問題がここから。 ファミリーコンピュータマガジン 1987年5月15日号。
ゴルフJAPANコースの名前が消えています!

もしかして単に書き忘れただけってことはない?



6月19日に発売されたファミマガ7月3日号
USコースの書き換え開始直前ですが、やはりJAPANコースは消えたまま。
5月15日号からこの号までの数冊でも一切JAPANコースの記述は出ていません。

そしてUSコースの書き換えが始まった後も、JAPANコースの記載が登場することはありませんでした。

どうも書き換え販売は中止になったようです。


その後の、任天堂が発行・提供していたディスクライターによる書き換え販売表 ディスクカードカレンダー」(右図)にも、 JAPANコースは記載されていません
ゴルフUSコースやF1レースなど、JAPANコース以外の青ディスクの書き換え販売はすべて行われているのに…


というわけで、ディスクライターによる書き換え販売はありませんでした







……が、実は例外が。


書き換えサービスは店頭のディスクライターを利用するのが一般的でしたが、 任天堂の本社・支社へ直接ディスクカードを送って書き換えを申し込むという方法でゲームの書き換え購入をすることもできました。
当時の任天堂のコメントによれば、ディスクライターが無い地域に住む人のためのサービスだったそうです。
実はこの方法で、ゴルフJAPANコースの書き換えが可能だったようです。


(クリックで拡大)
2002年の任天堂名古屋営業所での書き換え可能リスト。ゴルフJAPANコースの名前が入っています

このほか、 KYU's Technologyさんの ディスクシステムに関するエッセイのページ で掲載されている、任天堂本社から送ってもらったという書き換え可能ソフト一覧にもゴルフJAPANコースが載っています。 こちらは右上に1991年の記載あり。タイムツイスト発売の頃のもののようです。


というわけで、任天堂へカードを送った場合のみ書き換え販売ができたソフトという事のようです。

任天堂へ送らないと書き換え購入ができなかったなんて……。
まるで『谷川浩司の将棋指南II 新版 詰め将棋・次の一手』みたいですね。

いえ、書き換えてもらった人は恐らく『新版』よりもずっと少ないでしょう。 ゴルフJAPANコースはパッケージ版が大量に存在しています。 恐らく新品も中古もお店にあふれかえっていたことでしょう。
なのでわざわざ任天堂へ送ってまで、書き換えをして購入などしようとは思わないでしょう。




ゴルフJAPANコースの景品、ゴールデンディスクカード。




大会へ応募するためのディスクファックス。















一方こちらは、ゲーム書き換えができるディスクライター。










以下は任天堂が販売店・ゲーム雑誌社へ提供していた
ディスクライターで書き換え可能なタイトル一覧表。
一度もゴルフJAPANコースは載っていません…


(↓いずれもクリックで拡大可能↓)


1987年9月23日。書き換え一覧表。店頭用ポスター。
ゴルフUSコースはあるのに、JAPANコースは無い。

1989年3月3日。
店頭配布用の書き換えソフト一覧表。
やはりゴルフJAPANコース無し。

1990年9月。
バックギャモンの
広告に掲載された。

1990年1月12日。雑誌社へ提供された書換リスト。
こちらはマル勝ファミコン。

1991年10月。雑誌社へ提供された書換リスト。
こちらはファミマガ。

1992年12月。こちらもファミマガ。

ここまでとうとうゴルフJAPANコースは登場せず。
やはりディスクライターでの書き換え販売は
なかったのでしょう。
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結論です。

◆ゴルフJAPANコースの書き換えについて

 ・店頭のディスクライターでの書き換えは、販売ではなく大会期間中のデータ初期化のための上書きのみ。

 ・任天堂へ直接ディスクカードを送って書き換えを申し込むことでのみ、書き換えで購入できた。








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