ディスクシステム資料



◆ゴルフUSコースの景品の一つのはずなのにその後も登場。『ゴルフスペシャルコース』の謎


ディスクカードには 一般的な黄色のものと、イベント用として用意された青色のディスクカードのほか、 景品として配布されたゴールデンディスクカードも存在しました。

ゴルフJAPANコースのゴルフトーナメントの景品だったコチラは 大々的に宣伝されていたためか、ご存じの方も多いことでしょう。きっと。

ところが、実はこちら以外にももう一つ、金色のディスクカードが存在しています。
A面のシールにPRIZE CARD、B面にスペシャルコースと記載されているカードです。
 
(詳細は右図参照)

こちらは、チラシや広告などでの告知は無かったものの、 どうも第2回ゴルフトーナメント(ゴルフUSコースの大会)参加者の一部に プレゼントされたという、別バージョンの金色ディスクカードです。 当時実際に貰ったというユーザーさんの話によれば、 ホールインワン賞として送られてきたとのことです。 またゲーム内の成績画面には「ご応募ありがとうございました」とカタカナで記載があり、 これはディスクファックス大会へのエントリーの指しているものと思われます。

ゲーム内容はゴルフUSコースの各コースを一新したもので、ゲームシステムはゴルフUSコースを踏襲しています。 裏技で女性ゴルファーが使用できるのも一緒。

ゴルフUSコースの景品として大々的に広告されたのは金色カセットの『パンチアウト』です。 一方こちらのゴールデンディスクカードはお知らせ無しのサプライズ配布だったようです。
(実際にはパンチアウトの生産数が足りず、急きょこのディスクカードを用意したのかな、とか邪推)
なのでゴルフJapanコースの景品の金色カードよりも生産数が少ないと思うのですが… 実際にはけっこう数が出回っていたのか、 私の棲む田舎町のレトロゲーム屋にすら置いてあったりしました。

ゴルフJAPANコースのほうの景品であるゴールデンディスクカードは、1位〜100位までの プレイヤーの名前入りディスクカードと、「入賞」用のカード5000枚の計5100枚が存在しているそうです。 ちなみにコレも数枚、私の田舎のゲーム屋に置いてありました。みんなけっこう手放すのね…。


さて。この新しいほうのゴールデンディスクカードであるGOLFスペシャルコース(プライズカード)ですが、 実はゴルフ大会が終了してから数年経過した後にも再生産されているようです。

その根拠は手持ちの同カード。
『FDS Study』のページでも触れていますが、 ディスクカードには ゲームの型番や製造日などの情報が記録されているボリュームラベルと呼ばれる箇所があります。 通常は見ることはできませんが、リッピングツールなどを用いてディスクカードをPCへ吸い出すことにより 確認することが可能です。
この非売品カードは4枚手元にありますが、これらのボリュームラベル部分を確認してみたところ、 以下の2種類を確認。

 1.製造年月日:昭和62年(1987年) 8月17日
 2.製造年月日:平成2年(1990年) 6月1日

ゴルフUSコースの大会は1987年6月〜8月中。
なので昭和62年(1987)年に製造されたディスクは このゴルフ大会の景品の一つと考えてよいでしょう。


そして気になるのが、平成2年(1990年)製造のディスク。

最後のファミコントーナメント対象となったのは3Dホットラリーで1988年。 最後の大会から実に2年も経過しています。

じゃ、何のために作られたの?

金色ディスクの配布状況として以前 耳にしたことがあるのが、 後年、販売店のイベントの景品として このディスクがプレゼントされたという話。 1990年という製造時期のカードは、その話の裏付けになるのかもしれません。
(もし当時の大手ゲームショップとするなら、わんぱくこぞうやカメレオンクラブあたりかなぁ)

実はこの頃はディスクシステムソフトの新作が発売されなくなってきており、 ディスクシステム復権のため任天堂がテコ入れを行っていた時期でした。
(ファミ通1990年6月8日号や、ファミコン必勝本1990年5月4日号・6月1日号などに関連話が掲載されています)
まずは新作として、テトリスの作者が開発したパズル『ナイトムーブ』を6月に発売しました。 またナムコ・ハドソンの過去のカセットソフトをディスクカードへ移植して発売。
さらにサウンドノベルと思われるソフトの企画もあり、シナリオライターとして 糸井重里氏やその他著名人(いとうせいこう氏の名前を出す雑誌もあった)にオファーをしていたそうです。
(ただ残念ながらサウンドノベル型ソフトは企画倒れになったようで、発売はされませんでしたが…)
なのでこういった事情から、ディスクシステムを盛り上げるため、他社のイベントの景品として わざわざ任天堂が景品にふさわしそうな金色ディスクカード (※) を持ち出してきたという可能性は十分ありそうな気がしています。

(※…ゴルフJAPANコースの景品の金ディスクはハッキリJAPANコースの名前が入ってしまっていますが、今回のゴルフスペシャルコースは USコースなど他のゲームの関連名は一切ないため、JAPANコースの金ディスクよりは選びやすいでしょう)

さらにもう一つ、販売店などのイベント景品である可能性の資料となりそうなのが、化粧箱。
このスペシャルコース用の紙の化粧箱には『協賛』と記載されたものと無いものとが存在します。(右図参照)
ディスクファックス大会の景品は、任天堂の自社主催の大会ですから『協賛』とは入れないですよね。 実際、ゴルフUSコース以外のディスクファックス大会の景品化粧箱で『協賛』の文字があるものを見たことがありません。
そう考えるとやはり1990年に生産したディスクは他社のイベント用に任天堂が製造・提供した、と考えられるのではないでしょうか。

ちなみ販売店のイベント用以外として私が個人的に考えているのが、任天堂のパートナー的な存在だった徳間書店のコンテスト。 徳間書店はゲーム情報専門誌で当時最大規模を誇った『ファミリーコンピュータマガジン (ファミマガ)』の出版元であり、 ディスクシステム用ソフトの説明書のいくつかも製作を担当していました。
ファミマガではゲームメーカーとコラボしていろんなイベントを開催していましたが、 1990年の中ごろにはファミマガディスクのアイデアを募集するコンテストが行われました。 結果発表はファミマガの1990年7月6日号。金ディスクの生産時期とかなり近いです。 告知された景品の中にこのディスクカードのことは一切ありませんが、案外サプライズの副賞だった可能性はあるのかな、と妄想してみたり。



とりあえず、当スペシャルコースの2種類を簡単にまとめると…

  • ゴルフUSコースのディスクファックス大会期間中に製造されたものは、USコースの景品か。 ゲーム内の「ご応募ありがとうございました」のメッセージは製造時期からしてUSコース大会のエントリーを指すものと思われる。

  • 大会のさらに3年後に再生産されたものは、協賛と記された化粧箱の存在から考えるに他社の催し物のために用意された可能性が高そう。



なお両者の解析の結果、ゲームの内容自体はまったく同じでした。

(クリックで拡大)
お店で買ってきたゴルフスペシャルコースのパッケージとディスク。 店頭に長く飾られていたせいか、タイトルシール(ラベル)がちょっと色あせています。






(クリックで拡大)
左はゴルフスペシャルコースのタイトル画面。 ゲーム内のタイトル名はGOLF PRIZE CARD。
また右の成績画面では 「ゴオウボ アリガトウゴザイマシタ」の文字が。 「ご応募」ということは、やはりディスクファックス大会の景品の一つか。






(クリックで拡大)
それぞれのディスクカードをFDS Studyでチェック。 ちなみにディスクライターシリアルナンバーの FFFFは書き換えサービスを一度も使用していない、パッケージ版のディスクであることを示しています。 …そりゃそうか。景品がディスクライターで手に入ったら…いやそれはそれで斬新かも。







ゴルフスペシャルコースの化粧箱、2種類。
右側の箱は「任天堂株式会社」の文字の右側に小さく「協賛」と記されている。 少なくともディスクファックス大会のような任天堂の自社イベントで 任天堂「協賛」とはしないでしょうから、他社の催し物でしょうね。



▲TOP