ディスクシステム資料



◆バグ修正版 (バージョン違い) が存在するソフト   ver.1.0 〜 ver.1.3



「ゲーム内容自体が異なるソフト」のページでは パッケージ版と書き換え版でゲーム内容が一部違うソフトを取り上げましたが、
そのほかにゲーム内容自体は同じであるものの、後期出荷版や書き換え版で不具合等の修正が行われたソフトも いくらか存在しています。
以下はその一覧。(※ただしこれで全部とは限りません)

 悪魔城ドラキュラ
 ウルトラマン倶楽部
 SDガンダムワールド ガチャポン戦士 スクランブルウォーズ [パッケージ版]
 エスパードリーム
 奇々怪界 怒涛編
 キン肉マン キン肉星王位争奪戦
 ゴルフ
 ゼルダの伝説
 ダーティペア Project Eden
 探偵 神宮寺三郎・新宿中央公園殺人事件
 ナイトムーブ
 光神話 パルテナの鏡
 魔洞戦記 ディープダンジョン
 メトロイド
 もえろツインビー シナモン博士を救え!
 リンクの冒険

ほか、確実ではないものの、更新されている可能性があるソフトを最後にまとめて記載しています。

 ディスクカードにはボリュームラベルと名付けられた、
ディスクの出自情報(PCのファイルでいうところのプロパティ)が記録されている箇所が存在しています。
ここを確認することで、ゲームのバージョンや更新された内部ファイルのCRC32値を知ることができます。

もっともCRC32の変化が確認できても実際にゲーム内の何が変化したのかまでは判りません。
とりあえず何か修正があった、という事実だけ。

そしてゲームの型番(型式)やディスクカードのタイトルシールなどの外観にも目立った変化はないため、判別は困難。
というわけで、ここでは私が知っている範囲での判別方法を記していきます。



悪魔城ドラキュラ
 初期出荷のver.1.0のほか、ver.1.1、ver.1.2という2つの修正版が存在。v1.0とそれ以降の違いの判別は、タイトル画面が 表示されるまでの時間と、B面に入れ替える場面とで可能。
 ディスクシステムのゲームはすべて、起動するとゲームが始まる前に英文のライセンス文章が表示されますね。 v1.1とv1.2ではこの後、タイトル画面が表示される前に一度ディスクの読み込みが入るため、v1.0よりも タイトル画面が表示されるまでが遅いです。
 ディスクのA面B面を入れ替える場面も異なります。 v1.0とv1.1は、A面のままブロック1(1面)がスタートし、ブロック2開始前にB面に入れ替えます。 v1.2はB面に入れ替えてからブロック1スタート。
判別方法をまとめると…
 ・v1.0……タイトル画面表示前のディスク読み込みなし。ブロック2開始前にB面に入れ替える。
 ・v1.1……タイトル表示前にディスクの読み込みが入る。ブロック2開始前にB面に入れ替える。
 ・v1.2……タイトル表示前にディスクの読み込みが入る。いきなりブロック1開始前にB面に入れ替える。

 ほか目立った違いとして、見えない階段を登ってしまうバグがバージョンごとに異なります。 登った後の結果が、v1.0, v1.1, v1.2でそれぞれ違うものになります。内容は右のGIFアニメ画像をご参照ください。
 その他のバグでは、v1.0で、ドラキュラ(魔物化)の弾を3つ同時にかき消したとき 通常なら300点(1つ100点)のところが、3300点入る場合があるのを確認。発生する条件は不明。 このバグがv1.0だけの現象か、それともv1.1以降も直ってないのかは不明。

ディスクカードを解析できる環境にある人はボリュームラベルを覗いてみてくださいな。 これによれば、MAP関連をはじめとして多くのファイルが更新されているようです。

 ちなみにver.1.0は恐らく初期出荷分(パッケージ版)だけと思われます。 ver.1.1は発売1週間後にパッケージ版として登場しています。 ver.1.2は書き換え版しか存在していないかもしれません。(書き換え版はパッケージ版の2か月後に販売開始)




SDガンダムワールド ガチャポン戦士 スクランブルウォーズ [パッケージ版]
 パッケージ版と書き換え版とではMAPの半分が新規のものに差し替えられているという大きな違いがありますが、 実はパッケージ版同士でも更新版が存在しています。
 初期出荷のものはv1.0です。その後、書き換え版登場と同時期に再販されたパッケージ版はver.1.1に更新されています。 とりあえず実際に遊んでみて判明したものは…
・ゲーム起動後の最初の読み込み(PLEASE WAIT NOW LOADING)の時間はv1.1のほうがわずかに短い。
  v1.0:11.95秒   v1.1:11.68秒
微妙な差なので正直どうでもいい気がする…。
ボリュームラベルを覗いてみると、 プログラム関連と思われるファイル、 オープニング関連、エンディング関連のファイルが更新されているようです。


エスパードリーム
 初期出荷版はv1.0。再販版ならびに書き換え版がv1.1です。 書き換え版はディスクカードのタイトルシールの線が細くやや薄いため、見比べれば判別可能。
ゲーム内容ではタイトル画面が表示されるまでの時間で一応判別が可能。v1.1ではわずかに早くなっています。 実際に両方を録画して見比べないと判らないレベルですけれどね…。
ボリュームラベルを覗いてみると、タイトルや村、ワールドのボスなど 多くのファイルが更新されています。ただしタイトル&オープニングと村の中をいろいろ見比べてみましたが 見た目の変化はなし。プログラム面でのバグフィックスが変更点と思われます。



キン肉マン キン肉星王位争奪戦
 パッケージ版はver1.0、書き換え版はver1.1です。 書き換え版では「キング・ザ・100tに変身できる」バグが修正されているそうです。
 また当時の小チラシによれば、音楽の一部が異なるとありますが、実際にどのシーンの曲が変更されているのかは 確認できませんでした。

左はパッケージ版。右は書き換え版。スグル皇子の顔の傾きが違う


ゴルフ
 これ、変則的で、書き換え版はすべて v1.0 です。 そしてパッケージ版は v1.0 と v1.1 が存在します。
 v1.1の登場時期は不明。ただしv1.0の可能性が濃厚である、というものだけは判別可能です。

●判別方法1。初期出荷のパッケージは当然ながらv1.0。この初期のものは、パッケージ箱の裏のバーコードシールが違います。 初期出荷分のシールは、バーコード13桁の表記だけ。再出荷分はバーコードに加え、型式"FMC-GLF"が印字されています。 少なくともバーコード表記のものはv1.0。 …もちろん中古だと箱と中身が同時期のものとは限らないので確実な判別法ではありませんが。

●判別方法2。書き換え版である。冒頭に挙げたように、実はディスクライターの書き換え販売はv1.0のみでv1.1はなさそうなのです。 発売からかなり経過しパッケージ版がとっくにv1.1になった後でも、書き換え版はv1.0。 書き換え時期もディスクライターIDもすべて異なるディスクが手元に4枚ありますが、いずれもv1.0。 そのうち1枚は書き換えサービス終了間際に任天堂本社で直接書き換えてもらったディスクです。 ここでもv1.0となると、もう書き換えはこれしか存在していないと 見ていいでしょう。

ボリュームラベルを覗いてみると、 プログラム関連ファイルが更新されているようです。

写真はサッカーのパッケージですが、ゴルフも同じ。
違いはバーコードのシールの型式の有無。


ゼルダの伝説
 v1.1は発売後すぐにリリースされています。見た目で判断する場合、とりあえず以下の判別手段があるにはありますが…いずれも確実ではないのが曲者。
1.ディスクカードのタイトルシールの「ディスクシステム」の文字が白のものはv1.1。
 ただし白になったのはかなり後の話なので、実は黄色のものでもv1.1は大量に存在しています。
2.説明書の最後のページを確認。説明書が初版であればv1.0。2版以降であればv1.1の可能性あり。
3.説明書の裏表紙にバーコードが印字されているか否か。印字されているものは半年近く後に再販されたものなのでv1.1。
4.説明書表紙のディスクシステムの文字が白。バーコードよりもさらに後なのでv1.1。

もっとも、中古の場合は説明書とディスクカードが同じパッケージのものとは限りません。 お店側が説明書とディスクカードを別々に仕入れ、一緒にくっつけて販売する場合も多いと思うので。

v1.0とv1.1のゲーム内容の違いとして有名?なのが、笛による移動の最中にハートの器が取れてしまうバグの有無。 右図のようになります。実際にゲームをプレイしてこれで判別するのが一番確実。

なおv1.0では、この笛バグを使うことで、ここのハートの器を2回取ることができます。
詳しくはこちらの映像で説明します(Youtube)


ついでに、他にも修正されたバグが無いか調べてみましたが、残念ながら以下のバグはv1.0、v1.1の両方で発生するのが確認できました。
「裏ゼルダの、LEVEL6がある墓地。ここでギーニを大量に出してから笛を吹くとゲームが停止 (フリーズ) する。」
「ワープ階段が出る岩を押しながら竜巻に乗る。画面左上に階段が現われる。またクリア済み迷宮の左側MAPにも同じ位置に階段が出る。 入るとディスクの読み込みが行われるが、同じMAPに戻るだけで意味はない。」
「妖精の泉で回復中にIIコン側でリセット操作→ツヅケルで再開すると回復し続けてハート満タンに。」
「左端で右方向へマジカルブーメランを投げ、右端へ着いたあたりで笛を吹く。笛の竜巻に乗った後ブーメランをキャッチすると 画面中央あたりで竜巻からリンクが降りてしまう。」
(なおカセット版では妖精の泉以外のバグはすべて修正されていました)

ただしゲームバージョンでは、黄色にはv1.0と1.1の両方が混在。
白はv1.1のみ。





光神話 パルテナの鏡
 実は発売前日に製造されたディスクで既にv1.1。発売2日前以前のものがv1.0。 なので巷にあふれるディスクカードの大半はv1.1と思われます。 それぞれの違いですが、いきなりタイトル画面前の文字で判別可能。
   v1.0 「PUSH START BUTTON」
   v1.1 「PUSH START BUTTON.」
BUTTONの最後、ドット(.)の有無です。
ボリュームラベルを覗いてみると、 プログラム系の多くのファイルが更新されています。多数のバグ修正があるのでしょう、きっと。



魔洞戦記 ディープダンジョン
 一ヶ月後の再販版はv1.1になっているのを確認。例によっては外見上の違いはなし。
書き換え版なら確実にv1.1ですが、これまたパッケージ版と書き換え版とはどちらも同じシールで区別が付きません。 シールを貼り換えた跡が確認できれば確実なんですが…。
ボリュームラベルを覗いてみると、 マップ、音関連、プログラム系など、多様なファイルが更新されています。


メトロイド
 異例のソフト。全ゲームで唯一v1.0が存在しておらず、発売されたのはv1.1が最初のようです。 こちらは最初のv1.1のほか、v1.2、v1.3という修正バージョンが存在。いずれもパッケージ版・書き換え版の両方が存在。

パッケージ版の場合は付属品である程度判断が可能です。 黄色の書換申込書が同梱されているものは初期出荷のものなので、v1.1。 メトロイド専用のピンク色の「ご注意」があればv1.2以降。 さらにv1.3以降は他のソフトと同じ一般のピンクの注意書きになった可能性もあります。
…といっても、例によって中古の場合は同梱品が正確とは限らないのであまりアテになりません。 かといって今さら新品(未開封品)などそうそう手に入らないし…。
なおv1.2の期間は最長でも1ヶ月程度と短いため、流通したソフトの多くはv1.1とv1.3と思われます。

ゲーム内の比較ですが、v1.1とv1.2以降では、後発のもののほうがわずかに読み込み時間が長くなっています。 とはいえもともとロードの長〜いゲーム。気になるレベルではありませんが。
v1.1とv1.3のボリュームラベルを比べてみると、 メインプログラムの変更、ノルフェアとブリンスタのプログラム面での変更、エンディング関連のプログラムファイルなど、 多くの更新があるようです。
ただしいずれもプログラム系ばかりでグラフィックと思われる部分は同じ。なので見た目では判別できない…かも。 v1.1とv1.3のエンディングをそれぞれ録画し見比べてみましたが…まったく同じ。グラフィックも文字も、ディスクの読み込み時間さえも。 せめてマップ地形のどこかに変化があればよいのですが…やっぱり不明。

メトロイドのバージョンに関してはコチラのページでさらにツッコんで取り上げています。



もえろツインビー シナモン博士を救え!
 パッケージ版はver1.0と1.1との両方が存在。書き換え版はver1.1のみです。 ただしパッケージ版は数の少ない再出荷版のみが1.1なので、基本的にパッケージ版はv1.0が大半を占めるようです。
書き換え版はディスクカードのタイトルシールの線が細くやや薄いため、見比べれば判別可能。
ゲーム内容では以下の2つで判別可能です。
 1.最初からゲームを開始して一度もコントローラーに触らなかった場合、必ず雲の動きが同じになります。
  そしてv1.0とv1.1では別の動き方。これによりv1.0とv1.1の判別が可能です。

 2.表示範囲が大きいテレビの場合、画面上部ギリギリに出る、バグったような化け表示で判別可能。
  v1.0 はゴチャゴチャ、 v1.1 は緑一色。




リンクの冒険
 これまた発売の2日後には既にv1.1に修正されたディスクが製造されていたようです。 従いパッケージ販売版の場合はディスクカードの外見での判別も不可能。 書き換え版はv1.1のみなので、v1.1が欲しい場合はシールの貼り換え跡をせっせと探しましょう…。
実際にゲームを遊んでみた範囲では違いは判りませんでした。
v1.0とv1.1のボリュームラベルを比べてみると、 町、フィールド、神殿、メインプログラム系、エンディング関連ファイルなど、多くの更新があるようです。 ただしいずれもグラフィックではなく内部的なもののようなので画面を見比べても恐らく判別はできないでしょう。


奇々怪界 怒涛編
ダーティペア Project Eden ナイトムーブ
探偵 神宮寺三郎・新宿中央公園殺人事件
 これらのゲームは、パッケージ版がver1.0(※)、書き換え版がver1.1です。 具体的な変更点は不明です。恐らくはバグの修正がメインと思われますが…。
 パッケージ版と書き換え版はディスクカード上のタイトルシールで区別可能です。 といっても区別が付きにくいので難しいのですが。 殆どのソフトは、輪郭線が全体に太めなのがパッケージ版、細めなのが書き換え版です。 詳しくはコチラの写真で。
カードのシール以外での判別方法はまだ不明。
※…ただこれらのソフトでパッケージ版の再販が行われた可能性までは否定しません。 尤も数年に渡るバージョン調査でも私は見たことはありませんが…。
書き換え販売という手段が存在するディスクシステムでは、パッケージで再販することは大半のソフトで無いかと思います。 が、仮に上のソフトで再販したものが存在しているのであれば、その再販パッケージ版はv1.1になっているかもしれません。



バグ修正等がされている可能性があるソフト

ゲームバージョン自体はv1.0のままですが、内部ファイルが更新されているソフトです。
ほとんどの場合、ボリュームラベルの[debug ver]と名付けられた箇所の数字が上昇しているため、
小さなバグフィックスがされている可能性はあるかもしれません。
ただし逆に、この数値が上がっても内部ファイルには一切変化のないものもあります。
ディスクファックス対応ゲームである青いディスクカードのソフトは デバッグというよりも実際には生産回数のような扱いにしているのかもしれません。
ソフトによっては再生産が行われるたびに数値が上昇しているように見受けられます。


 アイドルホットライン 中山美穂のトキメキハイスクール(青ディスク)
 オセロ
 ゴルフJAPANコース(青ディスク)
 ゴルフUSコース(青ディスク)
 スーパーマリオブラザーズ2
 謎の村雨城
 ファミコングランプリII 3Dホットラリー(青ディスク)
 ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島 前編
 ファルシオン
 夢工場ドキドキパニック


なおパッケージ版と書き換え版とでデバッグバージョンが異なるものの、 ゲーム本体側 (プログラムファイル) のCRC32値がすべて一致するため変更点がまったく無いというソフトも存在。
「ファミコングランプリ F1レース(青ディスク)」と、 「アイドルホットライン 中山美穂のトキメキハイスクール」のバージョン10(パッケージ)とバージョン11(書き換え)
このことからデバッグバージョンを単にパッケージ販売したものか書き換え販売したものかの判別のために使っていたものと思われます。
(ディスクファックス応募型のゲームなので、書き換えとパッケージの販売比率がどうなのかという情報収集に使っていた可能性は十分考えられるでしょう)





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