ディスクシステム資料



◆書き換え販売料金は、三通り


書き換え販売の料金は、みんな500円。

子どものオサイフに優しいこの金額のおかげで ディスクシステムが普及したのは想像に難くありません。
カセットの性能がディスクカードを上回るのがもう1年遅ければさらに普及率は拡大し、 ディスクカードに注目するメーカーや開発されるソフトも増えることで、 寿命は3年程度は伸びたでしょう。
(※妄想)

妄想はともかく。

書き換えの料金は500円。

…ほぼ全部のソフトが500円なのですが、例外がいくつかあり、
実際には以下の3通りの料金が存在していました。


 400円 / 500円 / 600円 

◆帰ってきたマリオブラザーズ


唯一の 400円 タイトルです。

永谷園がスポンサーとなったことで、 このソフトのみ、通常の500円よりもさらに安い400円で
書き換え購入することができました。
ゲーム中には数々の永谷園商品の宣伝が流れます。

ゲーム自体もカセット版よりもパワーアップ。
グラフィックがアーケード版に近くなっただけでなく、
操作性に至ってはアーケード版よりも良くなり、
かなり遊びやすくなりました。



◆任天堂へ直接ディスクカードを送って書き換えを申し込む


ディスクライターが無い地域の人でも書き換え購入ができるよう、 初期の頃のパッケージソフトには書き換え申込み書が同封されていました。
これに必要事項を記入してディスクカードとともに任天堂へ送ると、 500円または600円で書き換えをしてもらえました。

ん? 600円

実は本のような厚手の説明書が付いている「ゼルダの伝説」「謎の村雨城」「メトロイド」は 説明書代の100円が必要となるため、合計600円だったようです。

なお実際の店頭での書き換えにおいても同様で、上記のゼルダ、村雨城、メトロイドの他にも、 きね子IIのように厚手の説明書が用意されたソフトの場合は 書換料500円に加えて解説書 (説明書) 代としてさらに100円が必要でした。
もっとも解説書は希望する人のみの販売であり、ディスクカードだけでもOKでしたが、 そもそもコレがないと遊び方が分からないし…


任天堂への書き換え通販(違)は、ゼルダ、村雨城、メトロイドが600円。
店頭での書き換えでも説明書代として別途100円が請求されたソフトもある。


◆末期の頃の新タイトルは600円


ディスクシステムの末期の頃といえば時代はスーパーファミコン。
スーファミどころか、ファミコンカセットにも性能面で水をあけられていたディスクシステムへの関心は
ユーザー・メーカーともにとっくに薄れていたのでしょう。

この頃に発売された数少ない書き換え用新規タイトルは600円に値上がりしていたようです。
もっとも、このことはあまり知られていないようです。
もちろん私も最初は知りませんでした…

新作の書き換え料金を600円に設定したのは 「メーカーの取り分を増やす(任天堂 広報)(※)」 ためで、 新作がほとんど作られなくなったためメーカーの制作意欲を煽る意図があったもようです。
※…「ファミコン通信 1991年8月2日号」より


1991年8月以降に書き換えが始まった、以下のタイトルが600円。

 クルクルランド
 タイムツイスト 前編
 タイムツイスト 後編
 ファミマガディスク vol.5 ぷよぷよ
 ファミマガディスク vol.6 じゃんけんディスク城




クリックで拡大。1992年12月発行の書き換え可能リスト。
◆そして最終的には…


しかし新料金600円のタイトルが登場した1〜2年後には
お店のディスクライターが撤去されてしまい、
任天堂へカードを送ることでしか書き換えができなくなりました。

店頭のディスクライターの回収は1993年3月には終了とされています。
右の写真は1993年4月5日発行のもので、
任天堂の支社・本社で書き換えを行う旨の通知です。

そして任天堂へ送った場合の書き換え料金は、
先の600円で発売された新規タイトルも500円に変更されました。


こういった事もあり、一部タイトルが600円という事実が浸透することはなかったのでしょう。


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というわけで、ディスクライター書き換え料金は、以下の三通り。

 400円 帰ってきたマリオブラザーズ
 500円 それ以外
 600円 末期の頃の新タイトル



ただしディスクライター撤去後に任天堂で書き換えてもらう場合、600円のタイトルも500円に変更なったため、
 400円 帰ってきたマリオブラザーズ
 500円 それ以外
のニ通りに。





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