ディスクシステム資料



◆書き換え販売がなかった、と勘違い。ゴルフJAPANコース


※このページは勘違いした理由とその資料のページです。
ディスクライターでの販売が行われていた資料はこちら


販売資料発見後、以下の文章には書き替え無しと判断した理由を追記しました。



パッケージ販売とディスクライターによる書き換え販売の両方があったとされているものの、
実際にはディスクライターでの書き換え販売が行われていなかった、と以前は勘違いをしていたタイトルがあります。


それは
ゴルフJAPANコース



イベント用として作られた、青いディスクカード第一弾。
ゲームの成績(スコア)を競う全国大会が開かれており、 店頭に設置されたディスクファックスという機械から応募すると 成績上位の入賞者と抽選とで選ばれた人に 金色のディスクカード (ゴールデンディスクカード) がプレゼントされました。


このゴルフJAPANコースですが、 ディスクライターで行われていた書き換えは、 パッケージ版の発売から大会終了時までの間は データ初期化のための上書きのみだったようです。
そもそもこの期間、青ディスクはこのJAPANコースしか存在していないので、 そもそもJAPANコースを書き込むためのディスクカードが存在していない…(※)
 ※…青ディスクのソフトは、青ディスクにしか書き込めない。 そして青ディスクのタイトルはJAPANコースただひとつのみ。 また中身の入っていない空ディスクを任天堂は販売していませんでした。 なので世に出回る青ディスクにはすべてJAPANコースしか入っていないため、 そもそも書き換え販売をする意味がないのです。

このソフト、一度大会に応募するとゲーム内の個人情報(名前や住所など)はロックされ、以後は変更できなくなります (ゲームのスコアは更新でき、再応募できます)。
このため大会参加後に間違えたり引っ越したりして名前や住所などを変更したい場合は、 ディスクライターで書き換えてください、と説明書やチラシでアナウンスされていました。

つまりゲーム購入用ではなく、取り消す (初期化する) ために 大会期間中にディスクライターの書き換えサービスを行っていたようです。


さて、青いディスクカードは特殊なカードで、 青カード用のゲームソフトは従来の黄色いディスクカードへ書き込むことができません。 つまり青ディスクのゲームを書き込めるのは、同じく青いディスクのみでした。
例えば、ゼルダの伝説のディスク(黄色)に、ゴルフUSコースを書き込むことはできません。 ゴルフUSコースをディスクライターで買う場合は、 同じ青ディスクである、ゴルフJAPANコースや3Dホットラリーなどのディスクカードを用意する必要がありました。

というわけで、青ディスクの一作目であるゴルフJAPANコースを ディスクライターで購入するには、青ディスクの次回作が発売されるまで待つ必要がありました。
そして、青ディスクの第二弾であるゴルフUSコースが発売された後、 前作となるゴルフJAPANコースの書き換え販売がスタートするのでした。


◆ゴルフJAPANコースの書き換え販売開始予定日の推移


ここからは、ゴルフJAPANコースは書き替え販売無しと勘違いをした理由の資料です。



ゲーム専門雑誌に掲載されていた、書き換え開始日の予定表です。

最初は4月28日予定。ファミリーコンピュータマガジン 1987年3月20日号より。
4月28日は当初、青ディスク第二弾であるゴルフUSコースのパッケージ版の発売予定日でした (後に延期)。
ちなみにここにも修正用書き換えは2月21日 (パッケージ版発売日) から行っていると記されています。



5月30日予定に変更。ファミリーコンピュータマガジン 1987年4月3日号より。
大会延長に伴い、書換開始予定日も延期されました。



さらに延期。6月21日予定。ファミリーコンピュータマガジン 1987年5月1日号より。
ゴルフUSコースと一緒に書き換え販売を開始することとなりました。

ところが。
JAPANコースの書き換え開始日が急遽繰り上がり、 USコースのパッケージ版の発売日である6月14日に合わせて、 同日である6月14日にJAPANコースの書き換えが開始されました。

ところが書き替えが行われていたのはその年の8月まで。
ディスクライターにラインナップされていた期間は実にわずか2ヶ月程度と短いものでした。




というわけでして。 ファミリーコンピュータマガジン 1987年5月15日号。
繰り上がって発売されたということを知らないと ゴルフJAPANコースの名前がいきなり消えてしまったように見えます。

つまり発売中止になってしまった、とここで想像。



6月19日に発売されたファミマガ7月3日号
USコースの書き換え開始直前ですが、もちろんJAPANコースの書き換えは既に始まっているので 記載は消えたまま。 ですが雑誌2号にわたって掲載が消えたままとなっているため、 完全にこりゃ書き換え販売は中止になったんだなー、と判断してしまいました。




なお、任天堂が発行・提供していたディスクライターによる書き換え販売表 ディスクカードカレンダー」(右図)にも、 確認できたすべての表でJAPANコースは記載されていません

これも書き換え販売が行われなかったために載っていない、と判断していました。

が!
実は確認できた最古の資料が右の87年9月のものです。
実際にはこの前月である8月に書き換え販売終了となってしまったため、この表に載るわけがないのでした。


以上のような理由から、ディスクライターによる書き換え販売はなかったと勘違い して結論付けていました。





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ちなみに以下のような例外的な書き換え販売が存在していました。


書き換えサービスは店頭のディスクライターを利用するのが一般的でしたが、 任天堂の本社・支社へ直接ディスクカードを送って書き換えを申し込むという方法でゲームの書き換え購入をすることもできました。
当時の任天堂のコメントによれば、ディスクライターが無い地域に住む人のためのサービスだったそうです。
実はこの方法で、ゴルフJAPANコースの書き換えが可能でした。


(クリックで拡大)
これは全国の店頭からディスクライターが引き上げられた後となる、 2002年の任天堂名古屋営業所での書き換え可能リスト。 これまでにディスクライターにラインナップされたことがあるすべてのソフトが記載されています。

このほか、 KYU's Technologyさんの なつかしのゲーム(2)(エッセイ0043) にも、任天堂本社から送ってもらったという書き換え可能ソフト一覧が掲載されています。 こちらは右上に1991年の記載あり。タイムツイスト発売の頃のもののようです。


それにしても、このJAPANコースをわざわざ書き換えてもらった人はかなり少ないでしょう。
ゴルフJAPANコースはパッケージ版が大量に存在しています。 恐らく新品も中古もお店にあふれかえっていたことが予想されます。というか私の記憶では 近所の中古販売店のワゴンなどにあふれていました… わざわざ任天堂にディスクを送ってまで書き換えてもらう必要はなさそうです。




ゴルフJAPANコースの景品、ゴールデンディスクカード。




大会へ応募するためのディスクファックス。















一方こちらは、ゲーム書き換えができるディスクライター。










以下は任天堂が販売店・ゲーム雑誌社へ提供していた
ディスクライターで書き換え可能なタイトル一覧表。
一度もゴルフJAPANコースは載っていません…


(↓いずれもクリックで拡大可能↓)


確認できた最も古い、書き換え一覧表。
1987年9月23日。店頭用ポスター。
ゴルフJAPANコースの書き換えは8月で終了したので
リストには当然載っていない。

1989年3月3日。
店頭配布用の書換ソフト一覧表。
ゴルフJAPANコースが再販された…
などということは無いようです。

1990年9月。
このリストは
バックギャモンの
広告に掲載
されたもの。

1990年1月12日。雑誌社へ提供された書換リスト。
こちらはマル勝ファミコン。

1991年10月。雑誌社へ提供された書換リスト。
こちらはファミマガ。

1992年12月。こちらもファミマガ。

ディスクソフト末期のもので、最後のソフト
じゃんけんディスク城が発売される直前のリスト。



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