ディスクシステム資料


◆ゲームの自動販売機!? ディスクライター


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ディスクカード
ディスクシステムのゲームソフトはそれまでのファミコンのロムカセットとは異なり、 磁気ディスク媒体の『ディスクカード』という形態で販売されました。

従来のカセットとの大きな違いは、データの書き換えや上書きが可能であることです。 ディスクカードの登場で、従来のカセットでは不可能だったゲームの記録(セーブ)をすることが可能となりました。
(もっともその後、カセットにもバッテリーバックアップの仕組みが登場し、ゲームのセーブデータを搭載できるようになりましたが)



ディスクライター
さて。重要なのはここから。

ディスクカードは磁気ディスク媒体であるため、セーブデータだけではなく、 中のゲームそのものを他のゲームへと書き換えることが可能でした。 新しいゲームが遊びたいとき、新たにパッケージソフトを買わなくても 書き換えによりパッケージよりも安い値段でソフトを手に入れることができたわけです。

このゲームソフトの書き換えを行うための機械がディスクライター
デパートやおもちゃ屋などの任天堂製品の正規取扱店に設置されていた、 自動販売機のような大型の機械です。

書き替えイメージ
ディスクライターの置いてあるお店へ 自分のディスクカード料金を 持っていき、係員にお願いすることで 元のゲームを他のゲームに書き換えてもらう、という仕組みでした。
(自動販売機ではないので、ユーザーではなくお店側が書き換えの操作を行います)


お店側は 「SCATソフトパック」という、ゲームソフトが入ったディスクライター用のカセットと ユーザーから預かったディスクカードを それぞれディスクライターにセットし、書き換え操作を行います。

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上の写真の左側はディスクカードの挿入口、中央はSCATソフトパックの挿入口。 そして右の黒丸の部分はオペレーションキーという名称です。ここに鍵を差し込んで操作をしていたのかも?

ディスクライターのモニターに流れる映像を楽しみつつ、しばらく待つとゲームの書き換えが完了。
この後、書き換えが終わったディスクカードと、新しいゲームのタイトルシール、 そしてゲームの説明書を受け取り、書き換え購入は完了です。 (※なお一部の説明書には別途100円が必要なものもありました)


ディスクライターのモニターで流れる映像。最初は待機中のデモ映像。3:50あたりから書き換え中の映像。5:00あたりからディスクカードのエラーをチェックする映像。
(Youtube yryr1984さんの動画より)

なおディスクカードはロムカセットよりも「環境に弱い」く、 磁気フィルムに汚れが付着したり、磁石などを近づけたりすると中のデータが破損してしまう場合がありました。 上の動画の最後の箇所を見るに、ディスクライターでディスクカードの損傷チェックを行っていたことが伺えます。




500円硬貨
ディスクライターのゲームの販売価格、つまり書き換え料金はリーズナブル。
なんとわずか500円!
新作でも旧作も、み~んな変わらず500円でした!
(なお一部400円と600円のソフトもありました

ディスクシステムのパッケージソフトは多くが2600円~3300円程度。 500円はかなりの破格であることが分かります。

ディスクシステムのソフトは全部で約200本ですが、 このうちの8割以上がディスクライターで購入できたため ほとんどのソフトが500円で楽しめたわけです。

500円硬貨

といっても、実際にはディスクライターで書き換え購入できるソフトのラインナップは時期により変化していました。 一度にラインナップされるのは新作ソフトと定番ソフトを合わせ、 おおよそ60タイトル程度だったようです。

ちなみに全ソフト中、2割はパッケージ販売専用となるわけですが、ディスクライターで購入できる8割の中には 逆にパッケージ販売がない、ディスクライター書き換え専用ソフトも存在していました。
 (→ 詳細はこちら「書き換え販売専用&パッケージ販売専用ソフト」で)




ちなみにゲーム書き換え購入時に渡される説明書ですが、実は1つのソフトにつき…
 1. 解説本と銘打った、厚手の本
 2. 薄手の簡易冊子
 3. A4程度サイズの紙1枚
の3タイプが存在していました。

500円硬貨
もっともすべてのソフトにこの3タイプの説明書が存在していたわけではなく、このうち1~2種類だけだったソフトも少なからずあるようです。 またこれらの説明書が同時に存在していたわけではなく、 時期によっていずれか1つのタイプだけが生産され販売店に送られていたようです。 なので書き替え購入時にユーザーがこの中から選べたわけではありません。

1のタイプは実はほとんどがパッケージ販売ソフトの説明書です。 パッケージ・書き替え兼売のソフトを書き換えで購入する場合、最初の頃はパッケージ版と同じこの説明書を貰えました。 ただしソフトによっては別途100円が必要な場合もゼルダの伝説、メトロイド、きね子2 等々…
そしてディスクシステムの後期の頃には1の説明書は無くなり、代わりに2か3のタイプの説明書が配布されました。 500円で本のタイプの説明書をタダで渡していたら元が取れないためか、あるいは有料の場合の100円が不評だったためか…

書換専用タイトルの場合、ほとんどは3の説明書でした。
 (→ 書き換え説明書についてはこちらのページでも扱っています)


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この世で最後の一台とされる、 任天堂本社に保管されたディスクライター。 (任天堂Webサイト 『倉庫の奥に眠ってた「ファミリーコンピュータ ディスクシステム」を起動してみた』 より)




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ディスクライターの鍵。キャビネット(扉)の開閉のほかディスクライターを操作をするためのキーも含んでいると思われます。 (※画像クリックで拡大表示)
 写真提供:rimu0926 さん
 ありがとうございます!





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ディスクライターの中身。 写真右側の正面パネル部が書き換え機の本体で、ディスクライター内部の中央に鎮座するレコードみたいな機械は実は換気用のモーターらしい。




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SCATソフトパック
ディスクライター用のカセット。 ゲームソフトが1本記録されていて、この中身がディスクカードに書き込まれる。 ソフトパックの中身はEPROMカセット。
ちなみにこのソフトパック、NES (海外のファミコン) カセットと同じサイズだそうです。 (勇者プクリン さん、情報ありがとうございます)




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お店でソフトパックを保管しておくためのキャビネット。
(画像は過去のヤフオクより)




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店頭で配布されていた、ディスクカードカレンダー。店頭に張り出すポスタータイプも存在。 ディスクライターで書き換え可能だったソフトの一覧表で、 上のものは1990年9月21日時点のリスト。




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ディスクライター設置店に貼られていた大型ステッカー。
(画像は過去のヤフオクより)




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書き換えに関するお願い。
(画像は過去のヤフオクより)




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ディスクカードのエラー内容を確認するための特殊なソフト。 ディスクライター設置店に用意されていたらしい。
(画像はWebサイト『ASSEMBLERGAMES』より)




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おまけ。ディスクライターを再現した、ディスクカードの収納ケース。
(画像は過去のヤフオクより)



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