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![]() 従来のカセットとの大きな違いは、データの書き換えや上書きが可能であることです。 ディスクカードの登場で、従来のカセットでは不可能だったゲームの記録(セーブ)をすることが可能となりました。 (もっともその後、カセットにもバッテリーバックアップの仕組みが登場し、ゲームのセーブデータを搭載できるようになりましたが) ![]() ディスクカードは磁気ディスク媒体であるため、セーブデータだけではなく、 中のゲームそのものを他のゲームへと書き換えることが可能でした。 新しいゲームが遊びたいとき、新たにパッケージソフトを買わなくても 書き換えによりパッケージよりも安い値段でソフトを手に入れることができたわけです。 このゲームソフトの書き換えを行うための機械がディスクライター。 デパートやおもちゃ屋などの任天堂製品の正規取扱店に設置されていた、 自動販売機のような大型の機械です。 ![]() ディスクライターの置いてあるお店へ 自分のディスクカードと料金を 持っていき、係員にお願いすることで 元のゲームを他のゲームに書き換えてもらう、という仕組みでした。 (自動販売機ではないので、ユーザーではなくお店側が書き換えの操作を行います) お店側は 「SCATソフトパック」という、ゲームソフトが入ったディスクライター用のカセットと ユーザーから預かったディスクカードを それぞれディスクライターにセットし、書き換え操作を行います。 ![]() 上の写真の左側はディスクカードの挿入口、中央はSCATソフトパックの挿入口。 そして右の黒丸の部分はオペレーションキーという名称です。ここに鍵を差し込んで操作をしていたのかも? ディスクライターのモニターに流れる映像を楽しみつつ、しばらく待つとゲームの書き換えが完了。 この後、書き換えが終わったディスクカードと、新しいゲームのタイトルシール、 そしてゲームの説明書を受け取り、書き換え購入は完了です。 (※なお一部の説明書には別途100円が必要なものもありました) ディスクライターのモニターで流れる映像。最初は待機中のデモ映像。3:50あたりから書き換え中の映像。5:00あたりからディスクカードのエラーをチェックする映像。 (Youtube yryr1984さんの動画より) なおディスクカードはロムカセットよりも「環境に弱い」く、 磁気フィルムに汚れが付着したり、磁石などを近づけたりすると中のデータが破損してしまう場合がありました。 上の動画の最後の箇所を見るに、ディスクライターでディスクカードの損傷チェックを行っていたことが伺えます。 このほか、専用のエラーチェックソフトも販売店に置いてあったようです(当ページ最後を参照)。 ◆リーズナブルな書き換え料金 ![]() なんとわずか500円! 新作でも旧作も、み~んな変わらず500円でした! (なお一部400円と600円のソフトもありました) ディスクシステムのパッケージソフトは多くが2600円~3300円程度。 500円はかなりの破格であることが分かります。 ディスクシステムのソフトは全部で約200本ですが、 このうちの8割以上がディスクライターで購入できたため ほとんどのソフトが500円で楽しめたわけです。 ![]() ◆実際の書き換え可能なタイトルのラインナップは常時60本程度 といっても、実際にはディスクライターで書き換え購入できるソフトのラインナップは時期により変化していました。 お店に用意されているのは新作ソフトと定番ソフトを合わせ、 おおよそ60タイトル程度だったようです。 さすがに全タイトルのソフトパックをお店に置いておくのは大変だったのか、 発売からある程度経過したソフトパックは、任天堂側から対象タイトルを指定して回収していたそうです。 そして回収後のソフトについては、任天堂の本社・支社で直接書き換えを行っていました。 写真&情報提供:rimu0926 さん ありがとうございます!
ちなみに書き換え可能なソフトの中には、パッケージでは発売されない、ディスクライター書き換え専用ソフトもけっこう存在していました。 (→ 詳細はこちら「書き換え販売専用&パッケージ販売専用ソフト」で) ◆書き換え時のゲームの説明書 ゲーム書き換え購入時には、ソフトとあわせて説明書も渡されるのですが、実は1つのソフトにつき… 1. 解説本と銘打った、厚手の本 2. 薄手の簡易冊子 3. A4程度サイズの紙1枚 の3タイプが存在していました。 ![]() もっともすべてのソフトにこの3タイプの説明書が存在していたわけではなく、このうち1~2種類だけだったソフトも少なからずあるようです。 またこれらの説明書が同時に存在していたわけではなく、 時期によっていずれか1つのタイプだけが生産され販売店に送られていたようです。 なので書き替え購入時にユーザーがこの中から選べたわけではありません。 1のタイプは実はほとんどがパッケージ販売ソフトの説明書です。 パッケージ・書き替え兼売のソフトを書き換えで購入する場合、最初の頃はパッケージ版と同じこの説明書を貰えました。 ただしソフトによっては別途100円が必要な場合も。 ゼルダの伝説、メトロイド、きね子2 等々… そしてディスクシステムの後期の頃には1の説明書は無くなり、代わりに2か3のタイプの説明書が配布されました。 500円で本のタイプの説明書をタダで渡していたら元が取れないためか、あるいは有料の場合の100円が不評だったためか… 書換専用タイトルの場合、ほとんどは3の説明書でした。 (→ 書き換え説明書についてはこちらのページでも扱っています) ◆書き換えに失敗して買えない!? ディスクカードは磁気ディスク。なので磁石やテレビなどから磁気的なダメージを受けると データが破損してしまうことがありました。 内部的に壊れたディスクカードを、ディスクドライブ(ファミコン)に読み込ませて遊ぼうとすると 画面にエラーが表示され、遊べません。 破損時の表示はエラー27が有名かも。 このディスクをディスクライターで書き換えようとすると、やはりディスクライターでもエラーが出て書き換えができません。 エラーとなったディスクカードは、直接任天堂に送って書き換えを依頼することで修復してくれました。 (ただもしかしたら、必ず修復してくれたわけではなではなく、修復自体が例外的な処置であった可能性もありますが) ところで。 エラーが生じたディスクカードの中には、 自宅のファミコンではエラーが出ず遊べるのに、ディスクライターではエラーが出て書き換えができない。 というパターンもあったようです。 どうもディスクドライブではディスクカードの精密なチェック機能はないようで、 カードに微細なエラーが生じていてもそれを見逃してしまうことがあります(実体験)。 これらのカードでも一見普通に遊べているのですが、 途中で急にゲームが進められなくなってしまったり、グラフィックが化けたり音の一部が狂ったり… といった何らかの不具合が生じる可能性は考えられます。 このような隠れエラーを持ったディスクカードをチェックするために ディスクライター設置店にはエラーチェック専用のソフトが配布されていたようです。
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